2馬力船外機専用のゴムボートやFRPボートは船舶免許・検査が不要のため、購入から使用するまでのコストは「船体本体+船外機本体+オイル各種+ガソリン燃料+艤装費用」だけで済みます。
その後は使用頻度にもよりますが、年に2~12回ほどのオイル交換にかかる費用と使用時のガソリン燃料、たったこれだけで手軽にオフショアを楽しめるのが魅力だと思います。
また船外機を使用しない手漕ぎや足漕ぎのカヤックやSUPに関しては更に費用を削減できて、「船体本体+艤装費用」なので購入する商品によっては数万円ほどで楽しむ事ができます。
そして遊漁船と違って「どんなタックル・釣り方をしても他のお客さんに迷惑がかからない」これこそが2馬力ボート最大の魅力ではないでしょうか?
と、費用面や気軽さだけを見れば遊漁船より2馬力ボートの方が優れているのは明白だと思います。
ですがどれだけ費用面と気軽さが優れていたとしても、本来の目的である魚が釣れなければ意味がありません。
ただ釣果に関しては漁礁や地形、回遊ルートや情報網を知っているプロ(遊漁船)が圧倒的に優れているのも確かです。
そもそも2馬力船外機なので釣果の差を完全に埋める事には限界がありますが、知識と経験でそれなりに埋める事は可能です。
くゆきオフショアだからと言って魚が簡単に釣れる訳じゃないよ!
地形や底質で釣れるターゲットや回遊頻度が大きく変化するし、何よりショアと違って目視での情報が全くないから、知識・経験・情報は2馬力ボートでの釣果を大きく左右する大切な項目だよ!
ただ、仮に遊漁船でどれだけ知識・経験・情報を得たとしても、2馬力ボートには2馬力ボートなりの出航方法があるのも確かです。
どれだけ「ここから出航できたら楽だな~」そう思っても、出航NGの場所を使用すればトラブルの原因に繋がります。
今回の記事はトラブル回避を目的とした「出航場所の選び方・調べ方」に重点を置きたいと思いますので、これから挑戦される方や出航場所に悩んでいる方の参考になれば幸いです。
出航場所の選択肢
2馬力ボート・カヤック・SUPを利用する場合、最も気になるのが出航場所の選択肢かと思います。
出航OKか出航NGなのかを別として、出航場所の候補は主に「漁港のスロープ・マリーナのスロープ・砂浜(海水浴場)」が挙げられます。
その選択肢から出航ができるのか深掘りしたいと思います。
漁港・マリーナのスロープからの出航は原則NG!


一部を除いて基本的に出航NGの分類されるのが私有地のスロープで、それは漁港やマリーナの規模に関係なく一律で条件は同じです。
もちろん勝手に使用するのは以ての外で、許可なく使用した場合はトラブルの原因に繋がりますし、場合によっては利用料金を請求される場合もあります。
そのため私有地(漁港・マリーナ)のスロープは選択肢から除外されますが、時と場合によっては利用できるケースがあるのも確かです。
例えば漁港関係者の多い中規模・大規模の漁港には該当しませんが、それこそ超小規模の部落にある漁港では利用できるケースもあります。
あくまで利用できるケースもある事なので、全ての小規模の漁港に適用される訳ではないので勘違いは厳禁です。
利用できたケースの一例
砂浜が隣接する小規模の漁港で、漁港自体は稼働している場所。
定期的に2馬力ボートを楽しむエリアなので、集落の住人とコミュニケーション(挨拶・釣果の報告など)を取っていると顔を覚えてもらえました。
もちろん「無理な駐車はしない」「ゴミは出さない」「地元漁師さんが嫌がる行為(夜間に出航しない・漁船に近づかない)をしない」など、モラルとマナーを守っていると「サーフからの出航は大変だから特別に」と漁港のスロープを使える許可を得られたケースがあります。



他には、あまり稼働していない小規模の漁港(初場所)付近で準備していると「勝手にスロープ使ってもいいよ」と、早朝にお散歩をしていた集落の方に言われた事もあったよ!
と、あくまで稀なケースなので頻繁に起こりませんが、超小規模の漁港ならスロープを自由に使える許可が得られる場合もあります。
中には無料で使えるスロープも!


ここは富山県射水市海老江にある海老江海浜公園のスロープなのですが、公園内のスロープなので漁港やマリーナではないため、特に利用禁止や料金が発生する事はありません。
とは言え、このような「無料で利用ができる」「車をギリギリまで停車できる」場所は非常に珍しく、逆を言えば利用者が多いため場荒れのデメリットがあり釣果にムラが出ます。
せっかく出航したのにボウスだと寂しいので、このような場荒れしたエリアでは事前に釣れそうな場所を調べる必要があります。
調べた場所を元に出航した時には「底質」「回遊頻度」を照らし合わせ、最適なポイントを開拓すると釣果が安定していきます。
出航場所は砂浜(海水浴場)がベスト


漁港やマリーナのスロープを無断使用するとトラブルの原因に繋がりますので、原則として砂浜(海水浴場)からの出航がメインになります。



ただ海水浴シーズン中は注意が必要だよ!
海水浴場は海水浴を楽しむ方が大優先だから、事故やトラブルを防ぐためにもシーズン中の使用は原則NGだよ!
砂浜でも相性が悪い場合も




例えば「駐車場からかなりの距離を移動しなければいけない(左)」「駐車場から高低差がある(右)」このような場所は船体の移動が大変なのでおススメはしません。
駐車場から距離がある場合はキャリーワゴンやドーリー(バルーンタイヤ)を上手に活用し、往復する回数を最低限にする方法もありますが、砂浜のコンディションによっては重さでタイヤが埋もれて進まない場合もあります。
行きはワクワクやテンションの上昇、余裕のある体力で砂浜のコンディションが悪くても突破できるかもしれませんが、帰りは疲労により難しい場面も多々あります。
次に駐車場から高低差があるエリアですが、こちらも行きは下り坂なのでスイスイ行けますが、帰りは上り坂なので疲労した状態では運搬が大変です。
そのため出航場所を選ぶポイントとして、「駐車場から比較的に近い場所を選ぶ」「できるだけフラットな場所を選ぶ」がおススメで、可能なら「踏み固められた砂浜」が理想になります。
出航場所の調べ方と地形の推測をする方法
これに関しては非常にシンプルで、Googleマップや地図アプリを利用して探し出します。
その時にGoogleマップのように航空写真やストリートビューの機能があると、砂浜や駐車場の状況はもちろん、このエリアは遠浅なのかドン深なのか大まかな判断が可能です。
探し方の手順
では私が実際にやっている初場所の調べる方法を、石川県羽咋市柴垣町にある「柴垣漁港」で例えてやっていきます。
Googleマップで気になる「〇〇海岸」「〇〇海水浴場」をチェックし、駐車場の有無を調べる。
今回の柴垣海水浴場では駐車場もGoogleマップで確認できたので、駐車場の問題はクリアです。
その時に駐車場がどこにあるのかも大切で、今回は駐車場が踏み固められた砂浜のため、駐車場と波打ち際までの距離が短く距離の問題もクリアです。
ストリートビューで柴垣海水浴場の後方や周辺をチェックするのですが、これには2つの意味があり「遠浅サーフなのかドン深サーフなのか」と「地質」の推測です。
例えば周辺に切り立った山がある場合はドン深サーフの可能性があったり、周辺に磯場がある場合は底質も硬質な可能性があります。
今回は切り立った山も磯場もないため、「遠浅サーフで底は砂地」と推測できます。
ゴムボートにしてもFRPボートにしても、特に気を付けなければいけないのが暗礁の有無になります。
Googleマップの航空写真で見て分かると思いますが、長手島の周辺は浅瀬または岩礁なので、沖を目指して航行する時は迂回をして座礁(パンク)を避ける必要があります。
柴垣海水浴場の場合だと長手島側より、漁港側(堤防側)からの出航が安全性が高いルートになります。


私が愛用している魚探は「ホンデックス PS-611CN2 Deep仕様」で、他社製品については分かりませんが、こちらの製品は海図を調べるのにも役に立ちます。
私の場合は片道で30分ほどの距離までしか航行しないため、おおよそ4㎞前後の海図を調べます。
その中で気になる場所(部分的に盛り上がっている・馬の背)を下調べします。


例えばこのような場所があったとします。
上下の線は水深50mを意味し、中央だけ水深が30mになっているとします。
このような場所は部分的に盛り上がっているため、小型の回遊魚が隠れ蓑として回遊しやすい場所になります。
つまりこの周辺は青物の回遊ルートでもあるため、他と比べてチャンスが高くなります。
と、出航場所の調べ方と地形の推測は以上で、後は実際に航行して推測の答え合わせをします。
その結果で「思った通り! もう少し通ってみよう!」や「思ったのと違うからもう行かないかな……」と判断します。
深掘りとまとめ
出航場所とゴムボートの深掘り
ゴムボートやFRPボートを移動させる際にドーリーを使用して移動する場面もあると思いますが、使用するタイヤの種類によって向き不向きもあるので注意が必要です。
| メリット | デメリット | 使用エリア | |
| ノーパンクタイヤ | ・どこで使用してもパンクしない | ・タイヤが小さく細いので踏み固められていない砂浜だと進まない | ・舗装された駐車場やスロープ |
| バルーンタイヤ | ・タイヤが大きいので砂浜の移動が楽 | ・鋭利な物を踏むとパンクする ・やや高価 | ・砂浜(海水浴場) ・舗装された駐車場やスロープ |
ノーパンクからバルーンに変更する時に数万円ほどの費用がかかりますが、砂浜や海水浴場から出航をメインに考えている方はバルーンタイヤがおススメです。
他にもゴムボート限定の移動方法になりますが、砂浜対応のキャリーワゴンを活用して波打ち際で膨らませる方法があります。
メリットとしてはキャリーワゴンに荷物をたくさん積めるので往復する回数が減る事と、ドーリーの出費を抑える・必要としない事です。
デメリットは細かい砂がゴムボートのバルブに少しでも挟まると、密閉性が低下してエアー漏れのリスクが高まるだけでなく、砂が入り込む事によってゴムボート本体の劣化が早まる場合もあります。
そのため波打ち際で膨らませる場合は最新の注意が必要になります。
狙っているターゲットで釣果を得るには「地質」と「地形」がカギ
魚には回遊魚と居着き魚がいて、言葉の通り回遊魚は季節(水温)やベイトを求めて常に移動する個体に対し、居着き魚は特定の場所や周辺エリアに留まる個体です。
2馬力ボートで狙える回遊魚の主なターゲット
・青物(ブリ・ヒラマサ・カンパチの青物御三家)
・小型回遊魚(アジ・イワシ・サバ)
・真鯛
・アオリイカ
・ヒラメ
2馬力ボートで狙える居着き魚の主なターゲット
・根魚(カサゴ・アイナメ)
と、ほとんどのターゲットが回遊魚になりますが、あくまで回遊魚寄りであり個体によっては居着く場合もあります。
例えばアオリイカやヒラメは良い例で、アオリイカは海藻付近に身を潜めてベイトを捕食する個体と、潮に乗って移動を繰り返す個体がいます。
ヒラメも同様で砂地や磯場で身を潜める個体もいれば、泳ぎ回ってベイトを捕食する個体がいます。
つまり狙っているターゲットが「何を捕食しているのか」「どのような底質を好むのか」を知り、「捕食されているベイトの行動パターン・好む地質」を知る事が安定した釣果に繋がります。
私の経験上で「捕食・底質・地形」に最も当てはまるエリアは、底質が砂や泥より硬質の岩が絡む場所です。
そのような場所の方が小型回遊魚が回遊しやすく更にはカニやエビなどが豊富なので、青物・真鯛・根魚の様々なターゲットを狙える事ができます。
もちろん砂地でも回遊魚は回遊しますが、底質が岩礁地帯と比べると回遊頻度は非常に落ちて、それこそ魚探がうんともすんとも反応しない時間が長い印象を受けます。
魚探によっては底質を判別する機能が搭載されているモデルがあり、数値が低いと砂地で高いと硬質になりますので、より数値が高い場所がおススメです。



優先順位は「硬質な底質 > 地形 > 砂地の底質」かな!
硬質な底質と凹凸のある地形が絡む場所は期待大で、逆にブレイクラインが多くても底質が砂地の場所は期待薄だよ!
総まとめ
ゴムボートやFRPボートは手軽にオフショアを楽しめ、ショアとは比べ物にならないほど魚との出会いが多い一方で、適切な場所からの出航が求められます。
特に「私有地のスロープを無断使用」「車の無理な駐車」はトラブルに直結しますので、私有地のスロープは避けて「有料スロープ」や「砂浜・海水浴場」の利用が好ましいです。
ただ「オフショアなら簡単に釣れるでしょ?」と思われがちですが、実際は全くそのような事はありません。
青物を狙うなら小型回遊魚の回遊は必須ですし、真鯛を狙うならカニやエビが豊富な場所を選ぶ必要があります。
そのため底質が砂地より、隠れ蓑がある岩礁地帯(硬質)の方が釣果に期待が持てます。
実際に魚探で底質を確認するのが最も確実ですが、出航前の見極めるポイントもあって「周辺の地形」が判断材料になります。
例えば「出航する場所の周辺に磯場がある」「周辺に切り立った山(岩山)がある」などで、そのような地形の場所は海底にも続いている事が多いです。
これで出航場所の説明は終わりになりますが、この記事が少しでも悩み・問題の解決になったのなら幸いです。








