免許や検査を必要としない2馬力ボートは手軽にオフショアを体験できますし、何よりショアとは比べ物にならないほど魚との出会いが多いです。
また最近では釣り禁止の漁港も増えているのも事実で、それらの理由から2馬力ボートは熱狂的なアングラーからの人気が高いです。
そんな2馬力ボートは手漕ぎボートとは違って船外機を使用するのですが、精密機械だけあって日常の点検はもちろん、使用頻度に合わせて定期的な整備は必須になります。
点検や整備を怠ると船外機の故障だけではなく、海上での使用中にトラブルの原因に繋がります。
そのため自身の身を守るためにも点検・整備は必ず行いましょう。
点検・整備項目
メーカー側は出港前の点検に加えて、6ヶ月または50時間毎の整備を推奨しています。
特にエンジンオイルやギアオイルは人間でいうところの血液と同じで、交換しないまま使い続けるとドロドロになります。
そのような状態だとトラブルの原因に繋がると共に、船外機の寿命を著しく低下させる要因になるため注意が必要です。
| 点検・整備項目 | 出港前点検 | 定期整備 |
|---|---|---|
| エンジンオイル | 〇 | 〇 |
| ギアオイル | × | 〇 |
| スターターロープ | 〇 | 必要に応じて交換 |
| スパークプラグ | × | 必要に応じて交換 |
| プロペラ・割りピン | 〇 | 必要に応じて交換 |
| アノード | 〇 | 必要に応じて交換 |
| グリース | × | 〇 |
上記は出港前の点検と整備項目の目安になります。
定期整備に必要な物

整備をする中で必ず必要な物はエンジンオイル・ギアオイル・耐水グリースの3点になります。
後は必要に応じてオイルを廃棄するアイテム・ナイロンワッシャー・Oリングも準備する必要がありますが、整備する時に毎回使う必要はありません。
おススメの商品
こちらの商品はエンジンオイル・ギアオイル・ナイロンワッシャー・Oリングがセットになっているため、これから挑戦される方には非常におススメのセット商品になります。
上のセット内容にもナイロンワッシャーとOリングは付属されていますが、1回分の交換分しかないため、追加で購入もおススメです。
グリスガンを使ってグリスアップするのが一般的かもしれませんが、一式を準備するのは初期費用がかかるため、耐水防錆の効果があるこの商品でも代用は可能です。
1回の点検・整備で廃棄するオイルは微量のため、最も小さい2.5ℓサイズで問題はありません。
エンジンオイル

今回使用するホンダ「BF2DH」の推奨オイルは、API分類SG,SH,SJ級相当のSAE10W-30エンジンオイルになります。
推奨オイルの範囲内であればメーカーを問わずに使用は可能ですが、エンジンオイルに疎い方には純正品の使用をおススメします。
ギアオイル

今回使用するホンダ「BF2DH」の推奨オイルは、API分類GL-4,SAE分類90番ハイポイドギアオイルになります。
こちらも推奨オイルの範囲内であればメーカーを問わずに使用は可能ですが、ギアオイルに疎い方には純正品の使用をおススメします。
グリース

グリスにも様々な種類がありますが、用途に応じて選択する必要があります。
船外機なので当たり前ですが、水回りでの使用が目的のため耐水機能のあるグリスを選ぶ必要があります。
私が使用しているグリスは呉工業「グリースメイト ストロング ペースト」で、こちらの商品は耐水性や防錆に優れていて船外機との相性も非常に良いです。
ただグリスガンとは違って細かい作業は苦手なため、別途で綿棒などを準備する必要があります。
ナイロンワッシャー・Oリング

ナイロンワッシャーやOリングはボルトが緩むのを防止したり、密閉状態にして海水の侵入やオイルが漏れるのを防止する役割があります。
素材はナイロンやゴムなので劣化が早く、長期間の使用は推奨されていないので注意が必要です。
それほど高価な物でもないので整備毎に交換するのも良いですし、私の場合はどれだけ船外機を使用しても年2回(春・秋)の交換は心がけています。
ポイバック(廃油処理)

エンジンオイルやギアオイルは可燃性のオイルのため、溝や道路に捨てるのは環境の観点から考えても以ての外で、適切な処理・処分をする必要があります。
車屋やガソリンスタンドで引き取ってもらうのも一つの手ですが、処分費用や持ち込む手間を考えると自身で処分した方が手軽なのは間違いないと思います。
そのような時はエーモンの「ポイバック」を使うと燃えるゴミとして処分できるためおススメです。
整備の手順
必要な物が準備できたら実際にエンジンオイル・ギアオイル・グリスアップの方法や手順を分かりやすく説明したいと思います。
エンジンオイルの交換方法と必要な道具
必要な道具

エンジンオイル「API分類SG,SH,SJ級相当のSAE10W-30エンジンオイル」
Oリング×1個
ロート
計量カップ
付属品の工具
交換方法

エンジンオイルの注入口を上にして船外機を横にします。

船外機に付属されている工具でボトルを外します。

必要に応じてOリングを新品に交換します。


古いエンジンオイルが垂れないように注入口を指で押さえ、注入口からエンジンオイルを取り出します。
写真では素手で行っていますが、使い捨て手袋があると指が汚れないのでおススメです。

エンジンオイルの量は最大で250mlで、少なすぎても多すぎてもダメです。
計量カップでしっかりと量を確認し、ロートを使って補充します。

船外機を垂直にしてエンジンオイルの量を確認します。
私は上限の250mlを注入しているため上限いっぱいに入っていますが、上限と下限の間にエンジンオイルが入っていれば問題はありません。
ギアオイルの交換方法と必要な道具
必要な道具

API分類GL-4,SAE分類90番ハイポイドギアオイル
ナイロンワッシャー×2個
付属品の工具
交換方法

ギアオイルの注入口のネジを外しますが、ここで注意点が1つあります。
下のネジを外すとギアオイルが流れ出すため、上を外してから下を外します。
必要に応じてネジの古いナイロンワッシャーを交換します。
この時に上下を交換するため、2個のナイロンワッシャーを準備する必要があります。

ネジを外すと同時にギアオイルが流れ出すため、事前に受け皿を準備する必要があります。

エンジンオイルと違って量を計る必要はなく、下のネジ穴にギアオイルを入れて注入します。
チューブをギューッと握りしめ、上のネジ穴からギアオイルが流れ出したら適正な量です。
グリスアップする場所と必要な道具
必要な道具

耐水性のあるグリス
付属品の工具
グリスアップする場所

赤丸の箇所にグリスを塗り、ハンドルを回してグリスを馴染ませます。

赤丸の箇所にグリスを塗り、全体に馴染ませる。

赤丸の箇所にグリスを塗り、本体を回して全体に馴染ませます。

赤丸の箇所にグリスを塗ります。
チューブ型のグリスの場合は、やや狭い箇所のため綿棒を準備する必要があります。


まずは付属品の工具を使用し、赤丸のボルトを外します。
ボックスを取り外せれたらスロットルリンク・チョークリンクにグリスを塗ります。

赤丸の箇所にグリスを塗ります。

赤丸の箇所にグリスを塗り、ハンドルを上下に動かしてグリスを馴染ませます。

赤丸の箇所にグリスを塗り、チルトレバーを開閉してグリスを馴染ませます。
まとめ
2馬力ボートは免許や検査が不要で、海上に出てしまえばショアとは違って全方位が自分のエリアになります。
人気の堤防や地磯のように夜中から場所を取る必要もなく、年々その注目度は増していると思います。
ですが海上に出てしまうと逃げ場がないのも事実で、船外機のトラブルを最小限に抑えるためにも整備・点検は最新の注意を払う必要があります。
もちろん整備士に任せるのが最も安心なのは間違いありませんが、自身で最低限の整備ができるといざという時に対処の仕方も変わってきます。
そのため船外機を使用する前の点検や使用後の整備を自身で行い、少しでも船外機の理解を深める事を強くおススメします。
またエンジンオイルやギアオイルは人間の血液と同じ役割があり、交換を怠ると船外機の寿命を著しく低下させる原因になりますので、より長く船外機を使用できるように必ずオイル交換をしましょう。
