これから釣りを始める方にとってロッドとリールの準備方法は何となく分かっても、洗い方や日頃のメンテナンスの方法は分からないと思います。
特にリールは洗い方を間違えると内部のオイルやグリスが流れ落ちます。
新品の巻き心地が良い状態を維持するためにも、洗い方やメンテナンス方法の紹介をしたいと思います。
タックルのセッティング方法
釣り用語でタックルとはロッドとリール、釣りにおける基盤の２つはもちろんラインや仕掛けなど、釣りに必要な道具の事を指します。
くゆきロッドには２ピースタイプと振り出しタイプがあるよ。
２ピースタイプは主にルアーフィッシング向けで、振り出しタイプは主にエサ釣り向けのロッドだけど、基本のセッティングは同じだよ！
２ピースロッドの準備方法
これが基本の形で、ここから「ちょい投げ」「サビキ」「投げサビキ」「ルアー」などの仕掛けに変化していきます。
ワンポイントアドバイス
２ピースロッドの接続部分に隙間があり、どれだけ頑張ってもピッタリ入れる事はできません。
これは決して初期不良や故障ではなく、接続部分がズレないように設計されているからです。
そのため使用頻度が高く長年使用しているロッドは接続部分が徐々に磨り減ります。
最終的にピッタリくっついた場合はロッドの寿命となりますので、その場合は新しいロッドの購入をおススメします。
振り出し竿の準備方法
振り出し竿のリールシートはルアーロッドとは異なります。
ルアーロッドはネジ式ですが、振り出し竿はスライド式となります。
先に仕掛けをセットする事により「ガイドからライン抜けを防止する役割」と、ロッドが短い事による「仕掛けの準備のしやすさ」のメリットがありますのでおススメです。
バッド（リール側）から伸ばすと穂先付近を伸ばすのは非常に大変ですので、必ず穂先から順番に伸ばしましょう。
基本的なリールの各パーツの名称と注意点
ワンポイントアドバイス
ベールとライントーラー、スプールエッジはラインと触れ合う大切なパーツです。
その中でもPEラインは非常に横のスレに弱いため、少しのダメージでもトラブルの原因に繋がります。
そのため保管や釣行中に傷が入らないように注意しましょう。
ワンポイントアドバイス
分かりやすく言い換えるなら車や自転車の「ブレーキ」と同じです。
ベールを下した状態でドラグを緩めるとラインは弱い力でも引っ張れますが、徐々にドラグを閉めると引っ張る力も強くなります。
リールの「ドラグ力」とは、完全に閉めた状態で何㎏まで耐えきれるかを意味し、それ以上の負荷は手に負えない事になります。
ルアーフィッシングでは対象魚に合わせてドラグ設定を行いますが、ちょい投げやサビキ等の釣りでは「強く引っ張ればラインが出るかな」程度で問題はありません。
ただドラグを完全に閉めた状態での釣行、保管はおススメできません。
ライントラブルだけではなくタックルにもダメージを与えますし、ドラグの内部にあるワッシャーも傷める原因になります。
ワンポイントアドバイス
基本的にリールの巻く方向は手前から奥に向かっての一方通行ですが、逆転レバーをONにすると逆向きに巻けるようになります。
この逆転レバーの主な用途は「仕掛けがガイドに引っ掛かり、ベールを起こせない！」釣りに不慣れな初心者にあるあるですよね。
そのような時にロッドやリールにそれ以上の負担、ついては破損を回避するためのシステムになります。
ただこの逆転レバーは全機種に搭載されてはいませんので、リールの購入する際はチェックしてみて下さい。
ワンポイントアドバイス
スピニングリールに関しては「右巻き」と「左巻き」、個人のスタイルに合わせてハンドルの位置を変更する事ができます。
「右投げだからリールは左巻き」「キャスト毎に持ち替えるのは初心者みたい」そのような事は一切なく、自身が一番やりやすい方法で釣りを楽しみましょう。
使用するリールの機種により変化はありますが、ハンドルキャップを外さないとリールハンドルが抜き取れない場合と、ハンドルキャップをつけたままリールハンドルが抜き取れる２種類があります。
タックルの洗い方
海で使用したタックルは必ず洗う必要があります。
理由は非常にシンプルで、海水の塩分でタックルが錆びるためです。
そのため使用したその日のうち、もしくは納竿後の後片付けに洗うのが好ましいです。
ロッドの洗い方
ロッドはぬるま湯での洗浄は可能です。
エサ釣りをした場合は塩分の他に油分も付着するため、冷水よりぬるま湯の方が適している場面もありますので、冷水とぬるま湯を上手に使い分ける必要があります。
基本的には洗い残しを防ぐため家での洗浄をおススメします。
特に念入りに洗浄する場所はラインと接触するガイド付近、リールを固定するリールシートです。
せっかく洗浄しても濡れたままの自然乾燥はガイドが錆びる原因にもなります。
そのため清潔なタオルやキッチンペーパーで優しく水分を拭き取りましょう。
「高温多湿の場所は避ける」「直射日光に当たる場所は避ける」この２点を避けての保管が推奨されています。
高温多湿の場所はカビの発生を促し、直射日光は劣化を速める原因になりますので、十分に注意を払いましょう。
リールの洗い方
リールはロッドと違い必ず冷水で洗う必要があります。
ぬるま湯の方が塩分や油分を落としやすいのは確かですが、リール内部のオイルやグリスが温まる事により流れ出る可能性があります。
オイルやグリスが不足した状態での使用は「回転の不良」「異音」「性能の低下」など、リール本来の性能を十分に発揮できないため、必ず冷水を使用しましょう。
リール内部に水が浸入するとオイルやグリスが流れ出すため、ドラグは必ず締める必要があります。
全体的に水をかけて優しく手洗いですが「ラインローラー」「ベールの付け根」「ハンドルノブ」「PEライン」は特に念入りに洗います。
基本的には指の腹で優しく撫でる程度で問題はありません。
ハンドルを回転させて余分な水分を飛ばし、キッチンペーパーやタオルで水気を拭き取れば終了となります。
ワンポイントアドバイス
リール内部に水が浸入しないように、基本的には逆さまにして洗わないようにしましょう。
またハンドルを回転させて洗うとスプールが上下して、水を侵入させる原因にも繋がりますので控えるのが推奨されています。
水の中に漬けて洗う方法もありますが、上記の理由により推奨されていませんので控えるのが無難だと思います。
リールの注油箇所
リールを購入時の状態や本来の性能を保つには、日頃のメンテナンスや注油が必須になります。
ただ注油といってもメーカーやリールのグレードにより注油方法は異なり、メーカーが注油を推奨しない箇所に誤って注油をした場合、本来あるべき性能を低下させてしまう可能性があります。
注油箇所は付属されている取扱説明書を参考にするのがベストですが、それ通りに全ての箇所に注油するのは非常に難しいため、今回は簡単ではありますが最低限の箇所を説明したいと思います。
ほとんどのリールに言えますが、上記のような隙間にグリスやオイルを注油します。
ダイワの注油箇所
ダイワには「マグシールド」搭載の機種が数多くあります。
実売価格が１万円前後の機種から上位機種まで幅広く搭載されています。
こちらは防水や防塵を高める技術で、基本的には個人でのメンテナンスは不要とされています。
ただ不要であってメンテナンスフリーではなく、メンテナンスはメーカーに依頼する事を推奨されています。
マグシールドには「マグオイル」が注油されており、グリスと混ざり合うとマグオイルが流れ出します。
マグオイルが流れ出すとどうなるのか？
本来の防水・防塵効果が発揮できず、リール内部の腐食やサビの原因になります。
そのためお使いのリールがマグシールド搭載機種かどうか知る必要があります。
またマグシールド搭載のラインローラーもあります。
そちらも同じ理由により注油は厳禁のため注意して下さい。
ハンドルノブの付け根にはベアリングが入っているため、回転を維持するためにグリスを注油します。
たっぷり注油しても効果が上がる訳ではないため、ワンプッシュ程度で大丈夫です。
注油後は余分なグリスを拭き取り、ハンドルノブを回転させて馴染ませます。
こちらはベールの開閉をスムーズにするためにグリスを注油します。
付け根の２か所に注油をし、馴染ませるために何度かベールの開閉をします。
逆転レバー搭載機種はこちらも忘れずにグリスを注油します。
注油後はレバーを左右に動かして馴染ませます。
ベアリングの性能を維持するためラインローラーにもグリスを注油します。
ラインローラーの性能が低下すると「異音」「ライントラブル」の原因に繋がります。
注油後は輪ゴムなどを使用すると馴染ませるのが楽です。
注油を控える箇所
基本的には上記の箇所以外は注油を控えた方が無難です。
例えばリールを逆さにしてローター内部の注油は「マグシールド」にグリスが到達する可能性があります。
またボディ内部は専用の注油が施されているため、市販のグリスが混ざるとトラブルの原因に繋がります。
無理な注油は結果的にリールの性能を著しく低下させるだけではなく、オーバーホールなどの出費にも繋がるため、メーカーが推奨している箇所以外の注油は避けましょう。
シマノの注油箇所
ダイワのマグシールドと同様に、シマノにも防水効果がある「Xプロテクト」があります。
Xプロテクトは「特殊撥水グリス」の注油をメーカーが推奨しています。
スプールを外してメインシャフトの軸にオイルを注油します。
長時間の注油は避けて「シュッ」とひと吹き程度で問題はありません。
後はハンドルを回転させてオイルを馴染ませましょう。
こちらはベールの開閉をスムーズにするためにグリスを注油します。
付け根の２か所に注油をし、馴染ませるために何度かベールの開閉をします。
ハンドルノブの付け根にはベアリングが入っているため、回転を維持するためにグリスを注油します。
たっぷり注油しても効果が上がる訳ではないため、ワンプッシュ程度で大丈夫です。
注油後は余分なグリスを拭き取り、ハンドルノブを回転させて馴染ませます。
Xプロテクトの機種には「特殊撥水グリス」、それ以外の機種にはグリスを注油します。
何度も言いますが、決してXプロテクトの機種にグリスの注油は避けましょう。
ロッドとリールの保管方法
ロッドとリールは適切に保管をするとパフォーマンスの低下だけではなく、故障や破損などのリスクを低減できます。
見栄えも大切な要素になりますが、それ以上にパフォーマンスを低下させない事を優先しましょう。
またロッドとリールの両方に言えますが、基本的には高温多湿の場所や直射日光は避けての保管が推奨されています。
高温多湿の場所での保管はカビやサビの原因に繋がるため、押し入れや倉庫での保管は避けましょう。
直射日光は劣化を速める原因なので、長時間にわたって直射日光が当たる位置は避けましょう。
ロッドの保管方法
縦型のロッドスタンドでの保管がおススメです。
他にも横型のロッドスタンドや竿袋に入れて壁に立てかける方法もあります。
ただそのような保管だと繊細な穂先に癖がつく可能性がありますので注意しましょう。
ただ壁に立てかけしか方法がない方もいると思います。
そのような場合は穂先を壁に立てかけるのではなく、バッド部分を接触面するようにしましょう。
こちらの商品は私も長年愛用しているロッドスタンドで、安心安全の日本製ロッドスタンドです。
片面タイプなので幅広にはなりますが、奥行きがないため圧迫感がなくおススメです。
片面タイプなので安定性に不安を感じると思いますが、側面が壁にピタッとくっついているので安定性に関しては全く問題はありません。
私は石川県在住なので2024年元日に起きた能登半島地震も経験していますが、倒れるような事はなかったため安定性や耐久性にも優れていると思います。
少々値は張りますが長く愛用できますのでおススメです。
リールの保管方法
リールラックやリールスタンドを使用してディスプレイするのもオシャレで良いかと思います。
並べたリールを眺めながらお酒をたしなむのも楽しみの一つだと思いますが、場合によっては故障の原因にもつながるため注意が必要です。
私も以前は棚にリールを並べて保管をしていましたが、やはり能登半島地震の影響でリールが落下し、思入れがあるリールのメインシャフトが折れる事態になりました。
そのためリールラックやリールスタンドを使用する場合は特に注意が必要で、高い場所に設置しない事も１つですし、何より倒れないようにする工夫が大切になります。
私はそれらが手間に感じたため見栄えは諦め、ホームセンターに売っている強度がある箱での保管をするようになりました。
見栄え重視か機能重視かで意見は分かれると思いますが、高所からの落下は故障のリスクが伴うため十分に気をつける必要があります。
便利アイテム
ラインの交換を個人でする場合は、それに見合ったアイテムがあるとスムーズに行うことが可能です。
そのようなアイテムがなくても１人でライン交換は可能で、鉛筆や割り箸でスプールを刺して固定、後は足の指で挟んでテンションをかけながらライン交換の方法もあります。
ただ足がつったり摩擦で痛みを伴うため、専用のアイテムがあるとスムーズに交換が可能なためおススメです。
マキシマムワインダーEVO 【DRESS】
私も愛用している糸巻き機になります。
良い点
リールを固定するパーツが付属されているため、比較的に小スペースで交換が可能。
スピニングリールとベイトリール、両方に対応している。
実売価格が5,000円程度と安価に入手が可能。
「ラインを巻く機能」「ラインを外す機能」があり、ラインを外す際は電動ドライバーにも対応しているため非常に楽に行える。
悪い点
安価に入手できるが全体的な安っぽさは否めない。
棚や机に万力で固定するタイプだが安定性に欠ける。
リールの「ラインを外す機能」はあっても巻き取る量が少ないため、電動ドライバーを所持していないと結構大変な作業になる。過度な期待はしないでおまけ程度に考えるのが吉だが、手でラインを取り出すことに比べたら楽。
万力の部分は凹凸があるだけで滑り止め加工はされていません。
そのためギュウギュウにネジを締めてもズレが発生しますので、気になるようでしたら滑り止めマットなどを使用するのも手かと思います。
最後に
ロッドとリールは適切な洗い方やメンテナンス、保管方法によって寿命やパフォーマンスに影響を及ぼします。
低価格帯のエントリークラスを定期的に買い替えて維持するのも手かと思いますが、同じロッドやリールを使い続けるのも癖や扱いを知る上で大切な要因になります。
メーカーや機種によってメンテンナンスの仕方は変化があり、混乱をする事もあるかと思います。
ですが決して難しい事はないので、この機会にぜひ挑戦してみて下さい。
この記事が少しでも皆様の役に立てたなら幸いです。
良き釣りライフを！
