【初心者必見】おススメの2馬力ゴムボートと出航目安【FRPボートとの違いも解説】

近年は二馬力ボートが注目を浴びています。
本格的なオフショアは敷居が高い、手軽にオフショアを体験したい、もっと釣果を伸ばしたいと、理由は様々あると思います。
ですが選ぶにしても選択肢が多くて、「何を選べばいいの?」「失敗はしたくない!」そのような悩みに直面すると思います。
それらを少しでも払拭する手助けになれば幸いです。

私が住んでいる地域は北陸三県の石川県です。
石川県は日本海に面して海が荒れやすい外浦と、通年して穏やかな内浦が存在します。
外浦は海が荒れやすいのですが潮が流れやすく、青物の回遊が非常に盛んです。
内浦は風や波の影響を受けにくく、基本的に海が荒れる事はありません。
そのため通年して安全にボートを楽しむ事ができます。
「荒れ」と「静まり」2つの顔を持つ特殊なエリアなので、どこのエリアにも通じると思います。

目次

ゴムボートとFRPボートの特徴と注意点

おススメのゴムボートの前に、簡単ではありますがゴムボートとFRPボートについて触れたいと思います。
私が現在使用しているのはゴムボートですが、それ以前まではFRPボートを所持していました。
数年ほど使用しましたが、私のスタイルに合わなかったためゴムボートに変更をしました。

最初は簡単にそれぞれの特徴と注意点をピックアップしたいと思います。

波の影響を受けにくく、安定性が非常に良い。
収納場所を選ばず保管が可能で、軽自動車での運搬も容易。
艤装関連の商品が豊富にあり、アイデア次第でオリジナリティを楽しめる。

風の影響を受けやすく、非常に流されやすい。
素材がゴムなので経年劣化の影響による不具合が起こる。
チューブの影響で船内が非常に狭く、艤装によっては圧迫感がある。
魚のヒレやフックによるパンク。
出発の準備や後片付け、使用後のメンテナンスに時間がかかる。

簡単ではありますが、私が両方を使用して感じた特徴になります。

FRPボートの転覆について深掘り

ゴムボートとFRPボート、どちらを選ぶにしても最終的な決め手は「安全性」ではないでしょうか?
もちろん私も最初にFRPボートを購入した理由は「パンクをしないから」その1点だけの安全性で購入をしました。
そもそも私はFRPボートを購入する前まで、オフショアでの釣りは全くの未経験者でした。
そのため海上でのリスクは「転覆かパンク」それにさえ気をつければ問題はないと思っていました。

安全性は「転覆やパンクなどの外的要因」だけではない。

これは私が初めてFRPボートを乗った時に感じた事です。

FRPボートのデメリットに触れますが、転覆について例を挙げてみましょう。
転覆する原因は主に「波、偏荷重、衝撃」その3点があると思います。

【波】FRPボートは横波に非常に弱く、周辺に他の船が通過した航跡でも危険を伴う。
【偏荷重】荷物を片方に寄せる事により全体のバランスが悪くなり、より横波の影響を受けやすい。
【衝撃】出航時、特にサーフから出航する場合は、波打ち際の波を直に受けてバランスを崩しやすい。

転覆防止の予防策がサイドフロートなのですが、使用していれば必ずしも安全なわけではありません。
サイズ感や素材、取り付け方法を間違えると100%の力を発揮できません。
FRPボートに対して小さいサイズだと役不足ですし、素材がゴムだとパンクのリスクが伴います。
取り付け方法を間違えて、海水とサイドフロートが接触していないと横揺れが激しくなります。
またFRPボートに穴を開けて艤装するのか、ベルトなどで縛るのかでも安定感は変わってきます。
つまりサイドフロートを使用するにしても、経験と知識がある程度は必要になります。

ではサイドフロートがゴム製だったと仮定し、不注意によりパンクをしたとします。
そこに偏荷重と航跡が重なり転覆したとします。
荷物は紐で固定していたため重心が下の方にあった場合、足場のない海で元に戻すのは可能でしょうか?
パニックになり無駄に体力を消耗するため、きっと困難だと思います。

「パンクをしない=FRPボート」それだけで決めるのは失敗の原因になります。
転覆のリスクも十分に考える必要があります。

収納場所、運搬の方法について

この問題は非常に大きく、FRPボートは日頃の収納に難が生じます。
戸建てでカーポートや倉庫がある場合は収納問題だけはクリアしますが、問題はそれだけではありません。

必ず家族からの同意、理解を得ましょう!

ただ人の心は移り変わります。
その場では了承を得ても、いざ収納しても「思っていたより大きい」や「そこに置いたら邪魔」と、特に奥さんからの苦情が後を絶ちません。
私もその一人でしたし、肩身の狭い思いをしていました。

それなら庭にUV加工のブルーシートで保管をしてみたら?
そう思いますが、どうしても雨水が溜まり、次は虫が湧く問題が発生します。
こうなっては一発でレットカード、即処分になりかねません。

そのため家族、特に奥さんからの理解は十分に得てから購入を検討しましょう。

もちろんFRPボートに限った話ではありません。
ゴムボートにしても必要な道具は多々あり、船外機や備品がたくさんあります。
収納場所はFRPボートより少ないですが、それでも同意と理解を得る必要があります。

次に運搬の方法になります。
ゴムボートでは軽自動車での運搬は十分に可能ですが、FRPボートは自家用車にルーフキャリアを取り付ける方法と、ハイエースやキャラバンのようにバンの荷台に積み込む方法があります。
ですがFRPボートの運搬には急発進や急加速のように、急がつく運転には十分に注意が必要です。

頻度としては非常に低いですが、数年に1度はFRPボートが道路に落ちている場面を見ます。
縛っている紐が緩んだのか、段差でズレ落ちたのか、ルーフキャリアの劣化なのか、理由はどうあれ落下により後続車が事故を起こした場合の責任はこちらにあります。
そのためルーフキャリアでの運搬には細心の注意が必要になります。
余談ですが、過去に1度だけ牽引中のボートが道路に落ちている場面も見たことがあり、たまたまカーブだったため路肩に突っ込んでいたので大事にはなっていないようでした。

ゴムボートとFRPボートで船酔いにも変化が……

特徴と注意点でも触れましたが、ゴムボートは波に強くてFRPボートは波に弱いです。
ゴムボートは波を乗り越えるのに対し、FRPボートは波を弾きます。
そのためFRPボートは波がぶつかる側面、つまり横波に非常に弱くて揺れがダイレクトに感じます。

そもそもどうして船酔いをするのでしょうか?
簡単に説明をすると「日常で横揺れの動作が少なく、無意識に対応するのに慣れていない」からです。
そのため波を乗り越えるゴムボートより、波を弾くFRPボートの方が揺れが大きく酔いやすくなります。

私がFRPボートを乗っていた時は酔い止めの薬を飲んでいたのにも関わらず、ほとんど船酔いで苦しんでいました。
「きっと船酔いがしやすいタイプ」だと諦めて楽しんでいましたが、ゴムボートに変更してからは船酔いの経験はなくなりました。
もちろん慣れの部分や、船酔いをしないように立ち回っているのも1つの要因かもしれません。

安定性があると船酔いの軽減も期待が持てる。

使用後のメンテナンスでの差

ゴムボートにしてもFRPボートにしても、海水での使用後はメンテナンスが必要になります。
方法は至ってシンプルで、家の水道水で海水を洗い流すだけです。

FRPボートは組み立てる必要がないので、工程が少ないため比較的に楽です。
ただゴムボートは「膨らませる、洗う、拭き取る、たたむ、片付ける」と、FRPボートと比べて工程が2つほど多く、釣りを楽しんで疲れた体には重労働に感じます。

ポータブル高圧洗浄機やポータブルシャワーなどを持ち込み、その場で洗ってから帰るのも1つの手ですが、洗い残しがあれば劣化を速める原因につながるため注意が必要。
またゴムボートに関しては砂を完全に除去しなければいけないため、簡易洗浄では役不足。

どちらにしても海水を洗い流す必要はありますが、FRPボートと比べてゴムボートはより繊細な面があります。
ですが安心安全な釣行を楽しむため、どちらにしても使用後のメンテナンスは必ず行いましょう。

つまりゴムボートとFRPボートどっちがいいの?

ゴムボートとFRPボートの両方を使用してみて私が感じた事、それは「安全=安定性」だと感じました。
安定性が増さると「急な天候の変化での対応力」「船酔いの軽減」「不安の払拭」などが期待でき、気候だけではなく心理的な安心感にもつながります。

後悔や失敗を避けたいのであれば、初心者ほどゴムボートがおススメ!

またどちらを選択するにしても、必ず家族の理解を得る必要があります。
それは道具の保管場所だけではなく、釣りをしない人からすれば逃げ場のない海上で釣りをするのに対して恐怖や不安を感じています。
「慣れるまでは複数人での行動をする」「ベタ凪でしか出航しない」「ボートファンが集まる人気のあるポイントに行く」そのように明確な安全項目を示すだけでも安心材料になります。

出航の目安

安全に出航して無事に帰港するため、風速と高波の目安を知る必要があります。
ゴムボートなら風速5m、高波0.5m程度がストレスなく楽しめる一つの目安です。

ですが海上は常に変化の繰り返しです。
天気予報では問題がなくても、急な変化も十分に考えられるため、「少し風が強くなってきたかな?」などと少しでも不安を感じたら帰港する事を強くおススメします。

上記の目安はあくまでゴムボートを使用した条件。
FRPボートだと波に弱いため高波0.5mは少し不安を感じる場合があり、無理な出航は控えましょう。

ただあくまで出航の目安であり、イレギュラーも存在しますので注意が必要です。

「風向き(風速)と潮(高波)の流れが同調」した場合は意外と危険な状況。

そもそもボート釣りはショアとは違い目印になる物なく、自分の位置を把握するのは困難になります。
GPS付きの魚探や近くにブイがあれば「結構流されたな」と判断材料になりますが、夢中になるあまり確認を怠ると流されている事に気づきにくいです。

また陸に向かう同調ならまだしも、沖に向かう同調は避けるのが無難です。
出航は風と潮でスイスイと移動できますが、帰りは共に邪魔をして予想以上に時間がかかります。
エンジントラブルや燃料切れなど、船外機が使えない事によりオールを必要とする場合もあります。
その時にオールの力だけでは帰港するのは困難になります。

よって目安を鵜呑みにするのではなく、自身が安心して帰港できる天候を選択し、一つでも不安要素がある場合は出航を控えましょう。
それが2馬力ボートを使用する大前提の注意事項だと思います。

ゴムボートの選び方

ゴムボートを選ぶのに選択肢はたくさんあり、ここからが悩むポイントになると思います。
メーカーを選ぶだけではなく、サイズや素材、下に敷くフロアなど様々あります。

それぞれ何が強みなのか説明し、失敗のないゴムボート選びができれば幸いです。

素材の違い

ゴムボートの販売するメーカーは様々ですが、材質はCSMとPVCの二種類になります。
簡単に説明をするとCSM素材はゴム系統、PVC素材はポリ塩化ビニル系統が主な素材となります。

それぞれの特徴は下記になります。

 CSMPVC
保証期間購入した日より5年間購入した日より1年間
耐久性非常に高い。 メンテナンスをしっかり行えば10年以上の使用も可能。あまりよくない。 タフな環境下での使用、メンテナンスを怠った場合の寿命は数年と短い。
素材の性質通年を通して固くならないため、常に同じクオリティーで楽しめる。寒い時期はゴムが固くなりバーストのリスクが高まるため、注意を払う必要がある。
値段高価安価
選ぶなら間違いなくこっち。 初期のコストは高くなるが、長い期間を使用できるため、実際のコストはCSMの方が良くなる場合も。命を預けるには不安要素が高い。 初期のコストは安いが、数年で買い替えるとなると、逆にコストが掛かる場合も。

つまり安全やコスパを考えるなら、CSM素材のゴムボートを選べば失敗や後悔は軽減されると私は思います。

フロアの選択肢

主なフロアの選択肢としてはロールアップフロア、ウッドフロア、エアーフロアがあります。
他にもアルミフロアがありますが、こちらはウッドフロアの上位版にあたるため、今回は3種類で説明をします。

ロールアップフロアは本体に板が既に備えてあり、ゴムボート本体を膨らませれば完成。
ウッドフロアは文字の通り木材の板を敷きます。
エアーフロアはウッドフロアの空気版になります。

このような違いがありますが、それぞれメリットとデメリットがハッキリしています。

 ロールアップウッドエアー
手軽さ×
安全性
安定性×
重量×
価格×

準備の手軽さや後片付けの楽さを重要視しているならロールアップ。
重量があるため安定性を求めるならウッドフロア。
移動や持ち運ぶ際に少しでも重量を軽くしたいのならエアーフロア。

このような選択肢になると思いますが、個人的にはウッドフロアの選択をおススメします。
ウッドフロアは重たいし荷物も増えるし、何より準備が大変ではありますが、それでも安定性だけは抜群に良いです。

本来ならメーカーさんの推奨はしていませんが、その安定性からウッドフロアだけは立つことが可能です。
もちろん立って釣りをする訳ではなく、椅子に長時間も座るとお尻が痛くなったり、体をほぐす意味合いで私は定期的に立つことがあります。
それほどの安定性があるのでウッドフロアをおススメしたいです。

ロールアップフロアはそのままでも使用可能ですが、下地がゴムなので別にフロアを用意した方がいいです。
すのこや簡単なベニヤ板、何でもいいので準備をしましょう。

おススメのゴムボート

最後になりますが、私が使用しているゴムボートの紹介になります。
それがアキレスさんのLFシリーズ、その中でもネオネットマリンさんとのコラボ商品となります。
入門艇として開発されていますが、そうとは思えないほど豪華な仕様になっています。


その中でもホンダさんの船外機と組み合わせが非常におススメです。
空冷式なので熱ダレを起こす事もありますが、それ以外のトラブルは非常に少ないです。
また使用後の洗浄も非常に楽なので、船外機を選ぶ際はチェックしてみて下さい。


また上記のようなフルセットも販売されておりますが、電動ポンプは無くても特に問題はありません。
付属されているフットポンプで膨らませても、おおよそ10分ほどで完成します。
そのため予算に応じてフルセットを購入するか、船外機セットを購入するか決めた方がよろしいかと思います。

コラボ商品と通常商品の違い

同じLFシリーズではありますが、実はスペックに違いがあります。

 【ウッドフロアの場合】コラボ商品通常商品
素材ポリエステル500ナイロン470
モールド4か所2か所
ドーリーアタッチメント標準装備×
Dリング10か所×
総重量38.5㎏37.5㎏
価格ほぼ同じ価格

大まかな違いは上記のようになります。
それぞれの違いを個々に説明をしたいと思います。

素材の違い
ナイロン素材は柔軟性に優れ、ポリエステル素材は剛性に優れています。
従来に比べて安全性が高まりました。
モールドの数
艤装する中で必要になってくるのがモールドです。
例えばBMOさんの商品にロッドホルダー、魚探のマウントなどがあります。
それらを取り付ける際に必要となってくるのがモールドです。
それが標準で4か所あるのは自由性が高まり、ポイントが高いですね。
ドーリーアタッチメント
通常はドーリーを購入した際にアタッチメントが付属され、自身で位置を考えて取り付ける必要があります。
工具も必要になりますし、失敗の許されない作業になります。
それがコラボ商品は標準装備になっているため、ドーリーを視野に入れている方には非常に嬉しいポイントとなります。
Dリング
艤装の幅が広がるのがDリングです。
ゴムボートの上に荷物を置いてDリングで固定するもよし、クーラーボックスの固定に使うもよし、何にでも使用できるため非常に重宝します。

このようにコラボ商品の方が高スペックになっており、コラボ商品を選ぶ方がメリットが高いです。
特にモールドとドーリーアタッチメントの恩恵が高く、自身で取り付ける場合は結構大変です。
そのため「カラーリングが気に食わない」「モールドの位置をこだわりたい」などの特別な理由がない限り、コラボ商品を選択すれば間違いはないと思います。

まとめ

安全性や安定性を求めるならウッドフロアのゴムボートを選択し、耐久性やコスパの高いCSM素材を選択すれば失敗は低いと思います。
また購入する際は事前に家族の同意、理解をしっかり得てトラブルがないようにしましょう。

長々と説明をしましたが、私が最もお伝えしたい内容が上記になります。

ゴムボートかFRP製ボートの選択は誰しもが悩みますし、選択によっては後悔もあるかと思います。
ですがこの記事で悩みの種が一つでも払拭できたのなら嬉しく思います。

またボート釣りは危険がいっぱいあります。
初めての出航は当たり前ですが、可能な限りはボート仲間と2艇で出航すれば不意なトラブルにも対処できます。

ショアとは違い魚との出会いが非常に多いボートフィッシングですが、無理な出航は控えて安全を最優先するようにしましょう。
それでは良きボートライフを!

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この記事を書いた人

石川県在住の二児の父。
釣り歴は20年ほどで、石川県と富山県の海釣りを中心に活動しております。
ショアからのルアーフィッシング、2馬力ゴムボードでのオフショアについて情報発信をしたいと思います。
少しでも役に立つ情報があれば幸いです。

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